技術情報
2色成形機の種類と特徴
- 成形
2色成形機は異素材の樹脂材料を用いて製品を成形する為の設備です。ここでは2色成形機の種類とその特徴について説明致します。
回転2色成形機とは
回転2色成形機は異なる2つの金型を用いて1サイクルで成形する設備です。
コア(可動側)が回転し、1次と2次を同時に成形する為、DSI成形と比較して成形サイクルを大幅に短縮することができ、効率性を高めることが可能です。サイクルが短縮するため量産性が上がる、製品単価が下がるなどのメリットがございます。


下図ではDSI成形と回転2色成形の成形サイクルの違いを示しています。

Lポジション型2色成形機とは
Lポジション型2色成形機は2つの材料を同時射出することが可能で、射出ユニットがL字に配置されている装置です。パーティング射出方式になっており、2次材をコア(可動側)から充填可能となっています。また、金型1面で成形することが出来る為、金型コストの削減にも繋がります。

Vポジション型2色成形機とは
Vポジション型2色成形機は射出ユニットが横並びに2つ配置されている装置です。
金型構造が少し複雑になってしまうデメリットもありますが、Lポジション型では難しい特殊工法での成形が可能となります。また、Lポジション型同様、金型1面で成形することが出来る為、金型コストの削減にも繋がります。

Lポジション型とVポジション型の違い
・金型構造が違う
各々、スプルーブッシュの配置が異なっており、金型設計も変わってきます。
Lポジション型がL字配置に対し、Vポジション型は1つの面に横並びに配置されています。
その為、Vポジション型の方が金型構造が複雑で困難になってしまいます。
・成形工法が違う
Lポジション型は主にDSI成形(DieSlide Injection)を用いるのに対し、Vポジション型は型内組立成形や突合せ成形、サンドイッチ成形を用います。各工法について詳しくはこちら
その他にも製品の用途によって用いる機械が異なります。
3色複合成形機とは
3色複合成形機は当社の特殊な成形機で、3つの材料を1サイクルで同時に成形可能です。
サンドイッチ成形に更に材料を追加して成形します。
弊社の保有設備
弊社は回転2色成形機、L型、V型ポジション成形機など様々な成形機を多数保有しております。
お客様が希望されている製品を実現するために、成形工法や成形機を検討しご提案させていただいております。詳しい保有設備のラインナップは下記ページをご覧ください。
大型2色成形.comの2色成形の特徴とは
50mm角程度の小型部品~500mm角の大型部品や1,000mmの長尺部品まで幅広く対応
当社は、50mm角程度の小型部品から、500mm角の大型部品や1,000mmの長尺部品まで幅広く対応できます。特に、小型精密機械の部品などで必要とされる±0.03~0.05mmの寸法精度や、1000分台での精度要求にも応えられる技術力を備えています。
複雑な形状や高い寸法精度が求められる部品でも、2色成形技術で安定した品質を提供できる点が強みです。さらに、異なる素材の特性を活かした一体成形により、信頼性の高い小型部品が必要な医療機器、精密機械・電子機器分野のニーズにも対応します。
また、500mm角の大型部品や1,000mmの長尺部品の2色成形にも対応しており、豊富な実績がございます。
大型部品の樹脂成形には、製品サイズに応じた高い型締め力を持つ成形機が不可欠です。単色成形では数千トン級の成形機を持つ企業も多いですが、2色成形となると800トン級を保有する企業は稀です。
当社は800トン級の2色成形機を筆頭に、大型2色成形専用機を20台以上保有しています。そのため、1000mm級の大型2色成形加工部品にも、形状によっては対応可能です。長年の実績で培ったノウハウを活かし、大型部品でも高品質・低コスト・短納期を実現いたします。
2色成形加工のプロによるQCDを向上させる設計・開発提案
世の中には数万種類もの樹脂が存在し、用途や環境に最適なものを選ぶのは至難の業です。
そこで当社では、お客様のご要望を丁寧にヒアリングし、QCD向上に貢献できるよう、材料提案、工法転換、形状変更など、様々な角度から最適なご提案をさせていただきます。
「2色成形加工を採用したいが、材料の融着が不安」「形状的に難しい部分の成形性を事前に確認したい」といったご要望にも、柔軟に対応いたします。 当社保有の試作型「デザインプレート」を活用することで、本型を起こす前にプレート形状で融着性や形状をご確認いただけます。
私たちは、ただ依頼通りに製品を製造するのではなく、お客様の期待を上回る製品を提供することに情熱を注いでいます。
デザインプレートについてはこちら
2色成形品の金型設計~射出成形、組立・検査まで一貫対応
大型2色成形.comでは、金型設計・製造から射出成形、そしてアッセンブリまでを一貫して承っております。
当社の強みは、金型設計時に実施する流動解析です。ゲート位置解析、ヒケ変位解析、冷却解析、反り変形解析、繊維配向解析など、多角的な解析を通して成形時に起こりうる不良リスクを事前に予測。金型設計の段階で対策を施したり、製品形状を修正したりすることで、不良品の発生を未然に防ぎます。
さらに、社内でのアッセンブリまでの一貫体制により、リードタイムの短縮を実現。全体工程を俯瞰した設計内容の見直しやご提案も柔軟に行うことが可能です。
まとめ
2色成形機は様々な種類があり、それぞれ特徴を持っています。
弊社では2色成形機を多数保有している為、臨機応変に対応可能です。
2色成形に関して何かお困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
2色成形では材料の組み合わせによって得られるデザイン性、機能性、材料同士の融着度や形状の制限など様々な可能性がございます。当社はこれら材料の組み合わせに関して多くのノウハウを保有しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
>>>お問い合わせはこちら
最新の技術情報
-
プラスチック・樹脂製品の組立コストを削減する「工法転換」のポイント
プラスチック製品のコストダウンについて プラスチック製品のコストダウンにはいくつかの手法があり、適切な手法を取り入れることは最終製品の商品力(=価格競争力)に大…詳しく見る
-
医療業界向け!2色成形活用のメリットとは?
2色成形とは、異なるプラスチックやエラストマーを一度に成形し一体化する技術で、デザイン性や機能性を付与し、コスト削減にも寄与する工法です。医療業界においても様々な場面で用いられている加工技術です。本記事では、医療業界向けの2色成形活用のメリットをご紹介いたします。…詳しく見る
-
剥離しない2色成形のポイント
2色成形の剥離防止には材料の相性が重要です。材料の組み合わせの他、鍵となるポイントについても解説します。…詳しく見る
-
精密小型部品の2色成形
当社の2色成形技術は、大型から小型までの幅広い成形ニーズに対応可能です。小型精密機械の部品など高い寸法精度が求められる部品でも、安定した品質を提供いたします。…詳しく見る
-
サンドイッチ成形を活用した環境対応
サンドイッチ成形を活用した環境対策についてご紹介します。2色成形を応用し、リサイクル材を使用することで、環境に配慮した製品づくりが可能になります。…詳しく見る
-
バイオプラスチックを活用した2色成形
2色成形を用いた環境対策についてご紹介いたします。バイオプラスチックの弱点である強度や外観の課題を低減することが可能になります。…詳しく見る