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医療業界向け!2色成形活用のメリットとは?

2色成形とは

2色成形とは、異なるプラスチックやエラストマーを一度に成形し一体化する技術で、デザイン性や機能性を付与し、コスト削減にも寄与する工法です。医療業界においても様々な場面で用いられている加工技術です。

樹脂素材を専用の装置で成形する樹脂射出成形において、1つのサイクルの中で異なるノズル、シリンダーから2種類の材料を射出します。2種類の材料とは異なる材料の場合や、同じ材料で色違いの場合もあります。

2色成形の工法には上の図のような2つの金型を使用して回転しながら2種類の材料を成形する方法や、金型アクションによりキャビティを変える方法など様々な工法があります。

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2色成形では、異なる材料を正確に配置・成形することが重要であり、専用の射出成形機や専門的な設計が必要です。2色成形で高品質な製品を成形するためには高い技術力とノウハウが必要となります。

2色成形のメリット

2色成形は単に2種類の材質を組み合わせるだけでなく、その性質を生かして様々な価値を生み出します。

デザイン性アップ

2色成形は積層成形が可能で、意匠面(外観)に加飾することで見栄えや質感を良くし、高級感を演出することができます。例えば、色違いの組み合わせによりデザイン性の追加や、本物の糸のようなステッチ表現が可能です。

機能性アップ

硬質プラスチックと熱可塑性エラストマー(TPE)の組み合わせでシール性や滑り止め、防振性などを付与します。

コスト削減

防音・防水のために樹脂製品にスポンジやパッキンを組み付ける工程がありますが、これを2色成形により、硬質×軟質を組み合わせて一体成形することで、アッセンブリ工程や部品点数が削減され、在庫管理や横持ち管理などを減らすことが可能です。また、機械生産により製品品質のバラツキを抑えることも可能です。

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医療業界において2色成形が有効な場面とは


医療業界では、特に以下のような場面で2色成形が有効です。

グリップ力や触感の向上が求められる場合

医療機器のグリップ部分や操作ボタンに、エラストマーなどの軟質材料を組み合わせることで、滑り止めや触り心地を向上させ、より安全で快適な使用感を提供できます。
例えば、手術器具や医療用ハンドツールのグリップ部分に、滑りにくい素材、やわらかい素材を使用することで、作業者の疲労軽減や操作性の向上に貢献します。また、人肌が触れる部分のみに軟質素材を用いることによって、製品の品質向上に寄与することができます。

・関連する設計提案事例
ナイロンとエラストマーの2色成形について

部品点数の削減や組立工数の削減が求められる場合

医療機器の筐体や内部構造において、一体成形することで、アッセンブリ工程や部品点数が削減され、在庫管理や横持ち管理などを減らすことが可能です。また、機械生産により製品品質のバラツキを抑えることも可能です。これにより、製造コストを削減し、生産効率を向上させることができます。
例えば、医療用デバイスの複雑な構造を一体成形することで、組立ミスを減らし、製品の信頼性を高めることができます。

・関連する設計提案事例
2色成形による異材質の一体化

シリコンをエラストマーに代替可能な場合

シリコン製のパッキンやシール部品をプラスチック製品に取り付けて使用している場合に、シリコンをエラストマーで代替することが可能です。そのうえで、2色成形で一体化成形することによって大きなコストダウンを行うことができます。

シリコンは高機能がな素材のため医療の様々な場面で用いられています。しかし、同様の弾力性を持ったエラストマーで代替可能な場合も多くございます。この場合に、2色成形で一体化成形を行うことで、金型のイニシャル費はかかりますが、トータルでコストダウンを行うことができます。

2色成形のエラストマーの利用

大型2色成形.comの2色成形の特徴とは

50mm角程度の小型部品~500mm角の大型部品や1,000mmの長尺部品まで幅広く対応

当社は、50mm角程度の小型部品から、500mm角の大型部品や1,000mmの長尺部品まで幅広く対応できます。特に、小型精密機械の部品などで必要とされる±0.03~0.05mmの寸法精度や、1000分台での精度要求にも応えられる技術力を備えています。
複雑な形状や高い寸法精度が求められる部品でも、2色成形技術で安定した品質を提供できる点が強みです。さらに、異なる素材の特性を活かした一体成形により、信頼性の高い小型部品が必要な医療機器、精密機械・電子機器分野のニーズにも対応します。

また、500mm角の大型部品や1,000mmの長尺部品の2色成形にも対応しており、豊富な実績がございます。

大型部品の樹脂成形には、製品サイズに応じた高い型締め力を持つ成形機が不可欠です。単色成形では数千トン級の成形機を持つ企業も多いですが、2色成形となると800トン級を保有する企業は稀です。

当社は800トン級の2色成形機を筆頭に、大型2色成形専用機を20台以上保有しています。そのため、1000mm級の大型2色成形加工部品にも、形状によっては対応可能です。長年の実績で培ったノウハウを活かし、大型部品でも高品質・低コスト・短納期を実現いたします。

精密小型部品の2色成形について

大型2色成形の対応範囲について

2色成形加工のプロによるQCDを向上させる設計・開発提案

世の中には数万種類もの樹脂が存在し、用途や環境に最適なものを選ぶのは至難の業です。

そこで当社では、お客様のご要望を丁寧にヒアリングし、QCD向上に貢献できるよう、材料提案、工法転換、形状変更など、様々な角度から最適なご提案をさせていただきます。

「2色成形加工を採用したいが、材料の融着が不安」「形状的に難しい部分の成形性を事前に確認したい」といったご要望にも、柔軟に対応いたします。 当社保有の試作型「デザインプレート」を活用することで、本型を起こす前にプレート形状で融着性や形状をご確認いただけます。

私たちは、ただ依頼通りに製品を製造するのではなく、お客様の期待を上回る製品を提供することに情熱を注いでいます。

デザインプレートについてはこちら

2色成形品の金型設計~射出成形、組立・検査まで一貫対応

大型2色成形.comでは、金型設計・製造から射出成形、そしてアッセンブリまでを一貫して承っております。

当社の強みは、金型設計時に実施する流動解析です。ゲート位置解析、ヒケ変位解析、冷却解析、反り変形解析、繊維配向解析など、多角的な解析を通して成形時に起こりうる不良リスクを事前に予測。金型設計の段階で対策を施したり、製品形状を修正したりすることで、不良品の発生を未然に防ぎます。

さらに、社内でのアッセンブリまでの一貫体制により、リードタイムの短縮を実現。全体工程を俯瞰した設計内容の見直しやご提案も柔軟に行うことが可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は医療業界向けの2色成形活用のメリットについてお伝えしました。2色成形を用いることで、コスト削減、品質向上が可能です。

大型2色成形. comを運営する角一化成株式会社では製品の開発段階からご要望にお応えいたします。お客様のご要望を丁寧にヒアリングし、QCD向上に貢献できるよう、材料提案、工法転換、形状変更など、様々な角度から最適なご提案をさせていただきます。2色成形を用いた製品製造のお悩みがございましたらお気軽にご相談ください。


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