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2色成形で実現できる金属部品の樹脂化とは?

  • 成形

金属部品の樹脂化とは

産業分野に関わらず、金属部品の樹脂化は様々なメリットから検討されるテーマの1つです。樹脂化による大きな効果として軽量化、後加工の削減化、大量生産が容易になることなどが挙げられ、その他にも、接合方法の多様性、断熱性が高い、絶縁といった効果が見込まれます。しかしながら、樹脂化することにより、強度不足、屋外環境における材料劣化、金属に比べて樹脂は収縮により寸法精度の許容差が大きいことなどがあり、金属部品設計をそのまま流用すると、大きなトラブルになることがあります。金属部品の樹脂化をする場合のメリットやデメリットについてご説明します。

金属部品の樹脂化によるメリット

金属部品を樹脂化した際のメリットを下記でご説明します。

軽量化

まずメリットとして部品の軽量化が可能です。樹脂は金属と比べて比重が小さいため軽量化が可能になり、部品設計や製品設計に自由度が増します。

コストダウン

次のメリットとしてコストダウンがあります。金属に比べて樹脂の方が大幅に価格が安いため部品を樹脂に置き換えることができれば大幅なコストダウンに繋がります。

着色が容易

金属に色をつける場合、塗装することが考えられますが後工程で色を付ける必要があるため手間や追加のコストが発生します。一方でプラスチックの場合は塗装で色をつける方法もありますが、着色ペレットやマスターバッチを使用することで成形の段階で色をつけることができるため後工程も不要で着色が容易です。

金属部品の樹脂化によるデメリット

機械特性が金属に劣る

一般的に金属に比べて樹脂は強度や硬度など機械的な特性では劣ります。しかし、必ずしも物性が劣るために金属を樹脂化できないわけではありません。素材の選定を工夫することで必要な要求特性をクリアすることができたり、2色成形を組み合わせることでさらに強度を補強することも可能です。

寸法精度が金属と比べて低い

樹脂は金型内での冷却の過程で収縮するため、金属と比べて寸法精度があまり高くありません。しかし、こちらも素材の選定を工夫することで収縮率の低い材料を使用して寸法精度の高い部品を作ることも可能です。プラスチックの種類には次のような種類があります。

当社は大型の2色成形を得意としておりますが、小型精密の2色成形にも対応しており、高い寸法精度が必要な成形の際には工具顕微鏡での寸法管理を行います。詳しい当社の設備についてはこちらをご覧ください。

2色成形による金属部品の樹脂化

2色成形を用いるメリット

金属は金属単体で用いるだけでなく、プラスチックやゴムを組み合わせた複合品として使用することがあります。このような部品の場合、異なる素材を別々に手配する工数がかかったり、廃棄の際に金属とプラスチックを分別する必要があるなど工数がかかる場合があります。2色成形を用いることでこれらの問題を回避することが可能になります。金属部分は硬質で強度の高いプラスチックを使用し、ゴムに求められるようなシール性や軟質性は熱可塑性エラストマーに置き換えることで機能性を維持しながら金属の樹脂化を実現することが可能です。その他に、2色成形を用いることで部品の強度を補い、要求特性を目指すことも可能となります。

2色成形を用いた金属部品の樹脂化の具体例

2色成形を用いた金属部品の樹脂化の具体例をご紹介します。エアコンのファンボス部品を樹脂化することで機能を維持しながら大幅なコストダウンの実現ができました。

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ファンボス

まとめ

2色成形を用いた金属部品の樹脂化についてご説明しました。当社では金属部品の樹脂化をはじめ、多くの2色成形の事例がございます。

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