ABS

ABSとは

概要

ABSはアクリロニトリル、ブタジエン、スチレン樹脂の3種類の物質を化学的に結合することで作られた素材です。ABSの強みは先の3種類の物質の特性を引き継いだもので、アクリロニトリルの耐熱性、機械的強度、耐油性、ブタジエンの持つゴムの特性、耐衝撃性、ポリスチレンの光沢性、加工性、安定性を持つことから、汎用性の高い樹脂として多くの製品に使用されています。
ABSは2色成形でウェルドラインが発生しやすいという点には注意が必要です。ウェルドラインは溶けたプラスチックの合流地点に現れる線状の跡で、外観性を損ない、強度的も落ちるので設計段階から対策を行うことが必要です。

用途

電気機器分野:冷蔵庫、洗濯機、掃除機、扇風機、テレビ、エアコン

ABSとは

ABS 2色成形事例

が対応出来る

ABSと2次材の組み合わせ

ABS×PMMA

PMMAはアクリル樹脂のことで、極めて高い耐候性と透明性を持つ素材です。このPMMAをABSと2色成形することによって、従来品よりも光沢は良くなります。この組み合わせによるABSは衝撃性が高いので構造体として使用され、PMMAは意匠性を付与させる効果として使用されます。ABS構造物にPMMAの2層構造体は透明性があるため、奥ゆかしい成形品を表現する事ができます。また、PMMA成形体にデザイン柄を付与させることで、より高級意匠を表現することができます。透明性フィルムを貼り合わせたような成形体と比較して、金型による2色成形であるため、一般的には製造コストを抑える事ができます。また、2層積層成形体のうち、必要部分のみPMMAのみで表現する成形体をも可能となり、光などを通す成形体が可能となります。

PC

この組み合わせはメッキ成形体と透明性の高いPCの意匠部品の成形体の製作が可能となります。メッキがのるABS樹脂とメッキがのらないPC樹脂の2色成品を製作後、メッキ工程にかけると、メッキがのるABSのみ選択的にメッキされます。加飾部品の一体成形体の製造が可能となります。

エステル系エラストマー(TPEE)

エステル系エラストマーの特徴の強度と軟質の触感を有する用途に使用が可能です。

ウレタン系エスストマ―(TPU)

耐摩耗性が高いウレタン系エラストマーとの2色成形体はABSを構造体、ウレタン系エラスストマ―部を耐摩耗性用途として使用が可能となります。

ABSに関するよくある質問